My Lost City

胸が潰れるアニメBANANA FISH6話感想。

 

アニメを待ちながら24時になった。ED曲「Prayer X」が配信開始となったので、即購入。King Gnuは去年、注目すべきバンド、みたいな誰かのブログを読んでいてその数あるバンドの中で唯一ハマったバンドだった。Vinylという曲を聴いていて、ああこの荒廃した感じたまらないと思っていた。BANANA FISHアニメ化の際に、最初は気付かなかったのだけど、後になって、ああKing Gnu!!と衝撃が走った。聴いていて音が面白いですよね。BANANA FISHにピッタリだなと思って、このED、かなり好きです。リピートしてるけど、聴くのには気持ちが重くなるから注意。

 

6話は、ひたすらに胸が苦しくて仕方なくて、観終わった後も2時間くらい布団に入りながらどんよりした心を持て余していた。

アッシュの故郷、ケープ・コッド。グリフと2人で過ごしたというそこは、小さな子どものアッシュの面影がそこらじゅうにあった。クマのぬいぐるみとか模型とか、兄弟の写真立てとか。アッシュがいかに普通の男の子で、グリフという兄から愛情を受けていたかがわかる。

私は白黒の漫画でしかケープ・コッドを知らなくて、アッシュの過去のこともあってさびしいとこなのかと思っていた。海の青と木々の緑が眩しいところでしたね。いい景色だね、と詠嘆する周りを横目に、アッシュはひたすらにつらそうだったな。英二に故郷のことを「嫌いなの?」と訊かれて、「考えたこともない」と答えるあのシーンがとても好きで、アニメでも余韻をそのままに再現してくれて嬉しい。私はあの答えを、あの気持ちを知っている。考えたことがないわけがないんだ。

アッシュは、何を想ってあの家を出てNYへ向かったんだろう。そこには、自由があると思ったのか。NYってどんなところなんだろう。人がたくさんいるんだろうか。東京のように。

私は東京が好きだ。いろんな人がいるから、こんな私がひとり紛れていてもきっと誰も気付かない、見向きもしないと思ったからだ。田舎で嫌な思いをして育った人間にとってそれがどんなに心安らぐことか。なんて、少し重ねてしまって彼の孤独を想ってまたつらくなった。だって、家を出たときのアッシュはまだ14,5歳くらいじゃないか?もっと幼いかな?事件直後なら10歳にもなってないのかな。

 

幼いアッシュの描写もえげつなかった。緑の目をまんまる大きくして、大人たちのやりとりをただ見ていたアッシュ。

 

…アニメの威力が凄くて、つらいアッシュの過去がフルパワーで私の胸に圧し掛かってきて、まともに思考ができません。

ジェニファーがあっけなく撃たれて殺されてしまったこと。あんなに簡単に人は死ぬんだ、ふたつの銃弾で人の命は簡単に止められるんだ。あのあっけなさを、その痛みそのままにアッシュは周りの人間の死という形で喰らってきたんだと思う。あんまりだ。アッシュの心は冷酷でもなんでもない。痛みを痛みとして感じるまともな心を持っている。彼はもうとっくにボロボロだ。それでも足を止めることができなくて、父親を置いてトラックに転がり込む。チキショウ、クソったれ叫びながら。

 

 

冒頭のオーマイダーリン再びはグッときた。子どもと言われて怒るピリピリしたアッシュも良い雰囲気。アッシュとロボのコンビもなかなか良い味出してきていて、一緒にギャグっぽいことしてるラストも良い。アッシュとジェニファーのやりとり良い。すごく優しい声色…。あと、これも原作再現してくれて嬉しかったけど、ネズミにびっくりする英ちゃん。(>☁<)って顔してて可愛くて笑ってしまった。銃の扱い方を教えてもらうときの英二のパーカーも独特のデザインでなんやねんそれと笑った。むしろちょっと欲しい。あと、ジムに怒る英ちゃんの怒声、カッコ良かったな。英二は超男前なキャラだと思っているから今後にも期待。

 

今回EDのキャストを見ながらたまげたのですが、ジェニファーの声は釘宮理恵さんだったんですね。全然わからなかった…。釘宮さん、THE萌えキャラももちろん釘宮節効いてて最高だけど、萌えキャラ以外の役も最高なんですよね…。個人的一押しはやっぱり『鋼の錬金術師アルフォンス・エルリックですね。最高。

あと、今回のEDもまた良い。とうとう月龍が出てくるんだ…!楽しみでしかたない。BANANA FISHという作品において、ユーシスの存在は本当にキーだから。どんな声なんだろう、どんなふうに喋るんだろう、楽しみです。

 

 

 

最後に、英ちゃんの無邪気さについて。

英二がアッシュ!と声を掛けたことで均衡状態が崩れて、あのような流れになってしまったわけだけど。英二はいつも守られて、なにもできなくて…、とイライラする人も出てくるだろうと思う(前も言ったなコレ)。そこで、お昼にそうめん食べながらぼつぼつツイートしてた思考をちょっとまとめてみる。

英二は他人のSOSに気づける人間だって後に言われるような子で。でも、SOSは感じ取っても、救い方まで完璧に上手いわけじゃないと思う。例えば、カウンセラーのように傷ついた人間に対しての最適解を導くことはできない。あくまで、英二の思う励ましや慰めを施す。「なんだかんだ言っても親子なんだよ」と言ってみたり、故郷や家族は誰にとっても大切なものと信じて疑わない。そんな個人の価値観に因っている。だから、ときには無神経なことを言ってアッシュと喧嘩になったりする。英二だってただの20歳そこそこの男の子だ。

(というか、本当に繊細にアッシュのことを思っていれば「○ンポコでも食えば?」だなんて口が裂けても言えないだろ…。英二どうかしてると思ったと同時にこれが成せるのはふたりの間柄だからだよな、とも思った。アニメはどうするんだろう、もちろんカットだとは思うけど、こういう英ちゃんもただのしょうもない青年であるというところは何とか演出してほしい。)

英二はあくまでも“友だち”としてアッシュに寄り添おうとしている。ここが何より重要で、謂わば英二は勝手にアッシュのそばにいたいと思っているというか、間違いなく英二という人間の意思に因っている。後ろになんの思惑もない、見返りも期待していない、純粋に友だちとしてアッシュを想っている。なんでそんなにアッシュのことを?と訊けば恐らく「だって友だちだから」と何の疑問も持たない顔で言うだろう。それほどに当たり前なことなんだ、英二にとっては。だからこそ、アッシュは心すべてで英二に寄り掛れたんじゃないかと思っている。自分が何を言おうと思おうと、英二は英二で勝手に考えて自分のそばにいたがる、いてくれる。その信頼にも似た、魂の交信があったからじゃないかな、と。

それと、アッシュはこの先英二を守ることに固執するわけだけど。アッシュはまともな心を持っていて、ゆえに化け物の自分を受け入れられなくて、とっくに彼の心はボロボロだと思う。大事な人ばかりが彼の前からいなくなっていって、もう英二しかいない、何が何でも英二だけは守る。「大切な人を守る」ことを成し遂げたかったのかもしれない。それまで叶わなかったから。いや、それにしてもアッシュが唯一受け入れた幸福が英二だったという点において、英二が特別な存在であることは確かか。

いろんな人が覚えのあることだと思うけど、守る存在ができると、自分がしっかりしなくちゃという意識が芽生える。それが自分を支える。アッシュはボロボロの状態で、英二を守ることで護られていたんじゃないかと思う。

つまり、英二は無神経だし足手まといに思えるかもだけど、それでいいんだ。確かにアッシュを救って、護っていく存在になるのだから。

 

 

 

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