夏と美術展

こんばんは。酷い暑さが続きますがいかがお過ごしでしょうか。

私は問題なく流れていく日々にきっと心が重くなっています。滞りない日常というのは言い知れぬ不安をおびき寄せるものだと思いませんか?私はそういう性分でございます。(難儀!)甘いものを食べるのを想像しても心は躍らず、寝ても寝ても居眠りをこいています。大好きな生ハムとチーズを食べてもどこか満たされなかったとき、これはいけないと思いました。

そんなときふと目にした絵に強く惹かれて、家の外に出てみました。

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ロバート・ハインデル展

魔法のような力に引っ張られた出不精で一人行動が苦手な私。

パン屋でパンを食べました。一人でご飯を食べるのは「おいしい」と声に出せず、どこを見ていいかわからないので苦手です。昔はカフェラテを頼んだら大人になれるかなと思ってましたがやっぱり私にはまだ全然苦いです。でも、少しづつ慣れたいなと思います。

 

美術展は、まずぐるっと一周してから自分が惹かれた作品のところまで戻って観なさいと言われたことを、展覧会に来る度思い出します。実行はしてませんし順路通りに進みます。だけど、全部じっくり鑑賞しなくてもいいのかなと思うようにはなりました。好きだなと思う作品をじっと見てます。今日見たものの中では、身体を曲げた踊り子の頭や肩が逆光の光に眩しく縁どられているところや、足下に落ちた窓からの光の、白色に水色が混じっているところがとても綺麗でした。あともうひとつ、スカートが白色の螺鈿のようにぼんやり光っていて、それもたまらなく美しかったな。木炭のスケッチも大好きだったし、素敵な作品ばかりだったけれども。

 

一度、絵を眺めているときにすぐ近くにいるのってくらいうるさい蝉の声がしました。そのときに、この瞬間は忘れないかも、と予感しました。

 

美術展に行くと毎回ポストカードを買っていきます。お金がないときからの習慣で、一枚だけと決めてどれにしようか悩むのが楽しいのです。でも今回は、どうしても選べず、自分用に一枚、お土産に一枚、贅沢の一枚を買いました。

 

 

もう少し続きます。

こうして閉塞感が一定まで貯まると突発的な行動に出る癖のある私ですが、以前にも同じように、急に電車広告で見かけた全く知らない作家さんの展示に行きたくなったことがありました。思えばあれも夏に近い季節でした。

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ソール・ライター展

写真展に行くのは初めてでした。このとき、チケットを買うために並ぼうとしていたら見知らぬお婆さまに声を掛けられました。「ひとりで来たの?」「そうです。」それくらいの会話をした後にお婆さま、なぜかチケットを譲ってくださいました。どうしてだかはわからないし、声を掛けられ慣れていないのでわたわたしていたと思いますが、なんだかとても素敵な体験をした気がして、気持ちがずっとふわふわしていたのを覚えています。今現在もまたこの写真展が開催されているようですが、名前を見るたび嬉しい気持ちが蘇ります。

 

 

もっと前にむしゃくしゃしたときにもやっぱり家を飛び出て何時間か電車に揺られたことがありました。そのときは東急プラザ蒲田の屋上の観覧車を見に行きました。お花の可愛い小さな観覧車。その後なくなってしまったのだけど、調べてみたらまたすぐ復活したみたい。長い間知らなかった…。

そのときに観覧車の写真を撮った気がしたので探していたんだけれど全然見つかりませんでした。折角古いスマホを何台か起動したので待ち受け載せておきます(?)

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では、おやすみなさい。