ぷわぷわの海老天

もう何年前のことか数えるのも億劫だけど、その日私たちは駅のそばのコンビニかスーパーで海老天を買った。3人いるけど2つしかなくて、1人はたぶんかき揚げだった。

陳列棚に小さな小さな小瓶に詰められてるジャムを見てこんなのあるんだなと思っていた。

 

それから歩いて、家に帰って、年越しそばを食べて新しい年を迎えた。

お湯をどんぶりに淹れて器を温めておくことで、出来上がったそばを移したときに冷めにくくなると言っていて、そんなことも初めて知ったから、驚いた。

 

その家は特別な場所で、私たちは夜遅くに集まっては始発を待った。

気づいたら眠りかけていて、毛布をかけてもらって泣きそうになった。修学旅行の夜のように、私たちは半分寝ながら暗い天井を見つめて二、三言言葉を交わした。

 

子どもだったとも思うけど、大人になった後じゃ話せなかったことを話す相手だった。

連絡が取れなくなって、だけどわざわざ深追いしようとも思えなくて、ただ、とても大事な相手には違いないから、生死は問わないので苦しまずにいたらいいなあと、言葉の通り幸せを願った。

 

年越しそばのおつゆを吸ったぷわぷわの海老天を見たらそんなことを思い出す。

カニ食べに金沢

カニ食べに行きたい…猛烈に。

ということで、金沢に行ってきました。


f:id:Drip001:20211111021119j:image

カニと言ったら北陸かな?北陸新幹線乗りたいし、金沢行ってみたかったし、と行き先を決定し、明日カニ食べに行かない?(北陸に)、と誘ったら来てくれた心優しい方に付き合ってもらって、いざ!


f:id:Drip001:20211111021141j:image
じゃ~~ん!カニだよ蟹蟹!🦀今からこの子をいただきますよとお店の人が見せてくれた。激写タイムを挟んで(足動いてた)、実食タイムです!f:id:Drip001:20211111021208j:image

今回は刺身と炭火焼で。あとカニコロッケも食べました。行きたいなと思って次の日に新幹線をはじめてeチケットで取って(すごい便利。新幹線の乗り方毎回忘れるからピッだけなのありがたい)、数日前に蟹漁解禁なんだ~あとどこ観光しよ~と道中で金沢のことを調べる、みたいな突発&弾丸だったので、要予約や夜のみの食べつくしコースとかはうまく見つけられず。店休日だったりも…。天ぷらやしゃぶしゃぶは次回の楽しみにとっておこうと思います🦀

 

焼いた蟹をほじほじする至高の時間。本物の蟹なんてそうそう食べないので、こんな味なんだっけ?!とちょっぴり思ったけど、カニ味噌と一緒に食べる蟹の身、んま~~い!!えっおいしすぎる…。最高!!!お刺身も贅沢にいただいて、蟹を食べている…と大変満足しました。さっきまで動いていた蟹が…、ていうか体中どこも美味しいの、すごいな…と蟹殻の入ったお皿をみて嚙み締めました。

 

 

というここでここからはちょこっと観光。書きながら思ったけど写真あんまり撮ってないから伝わりにくい…。

 

金沢駅から近江町市場まで歩く。たぶんバスもありますけど歩くのが好きなので基本歩き。曇りで平日で人がいなくて広い歩道をただ歩きます。あんまりお店も開いていなかったような。近江町市場に着くと、急に人がたくさん!なんだか野菜も果物も青々しい!市場って言うとお魚臭く?てすごい人だかりでいろんな声が飛び交っているイメージだったのですが、そんなことなくて過ごしやすい市場でした。あんまり隅々までは回らなかったけど、とにかく蟹がたくさんでテンションはあがりました。

 

そのまま金沢城公園へ。坂を上って見えてきただだっ広く綺麗な広場に感動。ひろ~い!犬になって駆け回りたい!

f:id:Drip001:20211111021241j:image

若い桜の木もあったので、きっと春はお花見でレジャーシートだらけかな。催し物や出店があったりするのかな?なんて想像しながら歩く。芝生の向こうに見える木々もちょっと紅葉。

f:id:Drip001:20211111021301j:image

この色って和菓子を彷彿とさせるよね~

f:id:Drip001:20211111021324j:imagef:id:Drip001:20211111021341j:imagef:id:Drip001:20211111021404j:image

修学旅行生が新聞どうするー?と言ってる声が聞こえてきてほっこり。

 

 

雨がひどくなってきたのでBGMが山下達郎オンリーのイカしたお茶屋さんで雨宿り。ほうじ茶パフェ、おいしすぎる…、頭に乗った金箔にもテンション上げ。内装もとってもお洒落でした。

f:id:Drip001:20211111021442j:image

(ピンぼけ写真)

 

金箔ソフトクリームもいつか食べたい。

f:id:Drip001:20211111021502j:image

 

 

そして兼六園へ!来たかった~。
f:id:Drip001:20211111021542j:image 
f:id:Drip001:20211111021600j:image

ちょうど雪吊りの作業をしてました。雪景色も綺麗だろうな~。眺めがいいところでは日本海も望めるらしい。あと砂丘があるらしい。知らなかった…。どちらも見たすぎるけどお天気が悪かったので今回は見られず。日本海も行きたいね~行ったことない。

f:id:Drip001:20211111021647j:imagef:id:Drip001:20211111021711j:imagef:id:Drip001:20211111021727j:imagef:id:Drip001:20211111021744j:image

広いお庭、回りきれないな…。毎日こういう景色のいいところにいたい。

 

 

出口からもう見える金沢21世紀美術館。この美術館と言ったら、のあのプールは展示入れ替えの期間なので入れず!でも上からは見られたよ~。綺麗な色。

f:id:Drip001:20211111021941j:image

というか建物がすごく楽しい!不思議な最高エレベーターもあったし、ぐるっと回るだけで素敵素敵。有名な椅子らしく、みんなうさぎさんポーズしてお写真撮ってた🐰🐰

f:id:Drip001:20211111021956j:image
今回は時間もなかったし展示見られなかったけど、今度見に来たい。そしてなんかお洒落そうなカフェ?レストラン?でご飯を食べたい。


f:id:Drip001:20211111022014j:image

めっちゃお風呂上がりの私じゃ~んと思って撮った。壁にもたれてこのまま寝ちゃうんだよな~。

 

はぁ…美術館、ぐるっと回ったり歩くだけで楽しい。もっと写真とっておけばよかった。
f:id:Drip001:20211111022032j:image

 

この後ひがし茶屋街へ行きましたがもう夕方だったのでほとんどお店はやってませんでした。でも夕方の灯りがつき始めた街並みも綺麗!
f:id:Drip001:20211111022056j:imagef:id:Drip001:20211111022109j:image

f:id:Drip001:20211111022126j:image

駅に戻りながら歩いてて思ったのですが、全体的に建物が低い気がします。茶屋街は特にくぐり戸?にじり口?がたくさんありました。木の門や引き戸が多く、お家かお店かわからない建物もしばしば。あとお着物着ている若い人たちもたくさん。

 

 

たくさん歩いて夜はお肉を食べました。サービスで出してくれた鰤がこれまた美味しかった。
f:id:Drip001:20211111022220j:image f:id:Drip001:20211111022231j:image


お土産を買って帰宅です。泊まってもよかったんですがワンデイのコンタクトだったうえに眼鏡を忘れてしまったのでおとなしく帰ります。

 



f:id:Drip001:20211111022251j:image

帰りの新幹線で食べよーと買ったプリン。この写真を撮ったあといざ食べようとしたらなぜかさっきまであったはずのスプーンが見当たらず…。何度も立ったり座ったりして探し回ったけど見つからないので車内販売に縋った結果、お箸とストローゲット…😂このプリン何種類か味があって、私はブランド米であるひゃくまん穀のやつを…。お米?どういうこと?と思いましたがなんだか杏仁豆腐みたいで(合ってるのか?)なめらかで美味しかった👍黒みつとの相性がまた最高で…✨

 

 

と、大変満喫しました。

とはいえ、日本海見てないし、蟹のさまざまな食べ方フルコースも食べてないし、晴れの兼六園も美術館のプール地下部も、お昼の茶屋街も、あと金沢おでんも食べてないし!とまだまだ行きたいところや食べたいものしたいことがたくさんあるのでまた行きます!必ず!

 

とにかく蟹欲満たされたし、のんびりできて本当に楽しかった。行き当たりばったりの旅?に付き合ってくれたお方に大感謝…!🦀🦀🦀

回転する種

f:id:Drip001:20200906234135j:plain

何年か前に行った博物館で撮った写真です。

どうして種を回転させているのだろうと不思議でおかしくて写真を撮ったのですが、調べるとどうも、こういった種は翼果といって、この落下の動きをプロペラとかファンとか、そういったものに応用できるらしい…?です。

羽を持つ種子は揚力が生じて、くるくると回りながら落ちるので滞空時間が長く、遠くまでいけるみたいです。付け焼刃なので解説や言葉の意味がよくわかっていないですけど。

それにしても全然知らなかった。翼果はカエデとかが有名みたい。楓の種なんて意識したこともなかったな。

でも翼果って素敵な言葉。

 

と思って日記を書いてみました。毎日がつらいので一度時を止めたいです。

果といえば、そろそろ秋が近づいてまいりまして、商店街の桃売りさんは葡萄売りさんになっていました。果物を買うのもいいなあと思うものの、なんだか口に運ぶイメージが沸かなくて、買わず終いです。

秋ですから小学校の運動会も思い出します。運動会は親が見に来てくれて、いつも紗々とお手製のちょっと焦げたエビフライと葡萄をお弁当に入れて持ってきてくれていました。

冒頭の博物館はおそらく何かの勉強で行ったはずですがもう忘れてしまいました。

 

 

夏と美術展

こんばんは。酷い暑さが続きますがいかがお過ごしでしょうか。

私は問題なく流れていく日々にきっと心が重くなっています。滞りない日常というのは言い知れぬ不安をおびき寄せるものだと思いませんか?私はそういう性分でございます。(難儀!)甘いものを食べるのを想像しても心は躍らず、寝ても寝ても居眠りをこいています。大好きな生ハムとチーズを食べてもどこか満たされなかったとき、これはいけないと思いました。

そんなときふと目にした絵に強く惹かれて、家の外に出てみました。

f:id:Drip001:20200821223723j:plain

ロバート・ハインデル展

魔法のような力に引っ張られた出不精で一人行動が苦手な私。

パン屋でパンを食べました。一人でご飯を食べるのは「おいしい」と声に出せず、どこを見ていいかわからないので苦手です。昔はカフェラテを頼んだら大人になれるかなと思ってましたがやっぱり私にはまだ全然苦いです。でも、少しづつ慣れたいなと思います。

 

美術展は、まずぐるっと一周してから自分が惹かれた作品のところまで戻って観なさいと言われたことを、展覧会に来る度思い出します。実行はしてませんし順路通りに進みます。だけど、全部じっくり鑑賞しなくてもいいのかなと思うようにはなりました。好きだなと思う作品をじっと見てます。今日見たものの中では、身体を曲げた踊り子の頭や肩が逆光の光に眩しく縁どられているところや、足下に落ちた窓からの光の、白色に水色が混じっているところがとても綺麗でした。あともうひとつ、スカートが白色の螺鈿のようにぼんやり光っていて、それもたまらなく美しかったな。木炭のスケッチも大好きだったし、素敵な作品ばかりだったけれども。

 

一度、絵を眺めているときにすぐ近くにいるのってくらいうるさい蝉の声がしました。そのときに、この瞬間は忘れないかも、と予感しました。

 

美術展に行くと毎回ポストカードを買っていきます。お金がないときからの習慣で、一枚だけと決めてどれにしようか悩むのが楽しいのです。でも今回は、どうしても選べず、自分用に一枚、お土産に一枚、贅沢の一枚を買いました。

 

 

もう少し続きます。

こうして閉塞感が一定まで貯まると突発的な行動に出る癖のある私ですが、以前にも同じように、急に電車広告で見かけた全く知らない作家さんの展示に行きたくなったことがありました。思えばあれも夏に近い季節でした。

f:id:Drip001:20200821230651j:plain

ソール・ライター展

写真展に行くのは初めてでした。このとき、チケットを買うために並ぼうとしていたら見知らぬお婆さまに声を掛けられました。「ひとりで来たの?」「そうです。」それくらいの会話をした後にお婆さま、なぜかチケットを譲ってくださいました。どうしてだかはわからないし、声を掛けられ慣れていないのでわたわたしていたと思いますが、なんだかとても素敵な体験をした気がして、気持ちがずっとふわふわしていたのを覚えています。今現在もまたこの写真展が開催されているようですが、名前を見るたび嬉しい気持ちが蘇ります。

 

 

もっと前にむしゃくしゃしたときにもやっぱり家を飛び出て何時間か電車に揺られたことがありました。そのときは東急プラザ蒲田の屋上の観覧車を見に行きました。お花の可愛い小さな観覧車。その後なくなってしまったのだけど、調べてみたらまたすぐ復活したみたい。長い間知らなかった…。

そのときに観覧車の写真を撮った気がしたので探していたんだけれど全然見つかりませんでした。折角古いスマホを何台か起動したので待ち受け載せておきます(?)

f:id:Drip001:20200821234118p:plain
f:id:Drip001:20200821234121j:plain

 

では、おやすみなさい。

『世界は3で出来ている』感想

こんばんは。今日の夕暮れはピンクでかわいかったです。

 

 

数日前に、林遣都さんが一人三役を演じるソーシャルディスタンスドラマ?があると聞きまして、なんだそりゃ・・?おもしろそう、と思っていたけどあいにくタイミングが合わずリアルタイムでは見ることができなかったのですが、ありがたいことに配信決定したということで視聴しました。

いや、おもしろかった…。30分なのに映画一本見たような気持ちになりました。

 

演者である林遣都さんはもちろんすごいけど、脚本?もよかったなあ。

前半のストーリー<キャラから、後半ストーリー>キャラになるあの構成っていうのかな、勇人が「ここだけの話な、俺、この3ヵ月、今回のこと、ほんとよかった」と言う場面からガラッとリアルの世界とつながってグッと見る気持ちが変わった。

「すっばらしい3ヵ月だった」という人がいたのもきっと事実で。そのあとの泰斗さんの「なんかすごいことが起きてる、映画みたいなこと」という切り出しから「誰もいない渋谷」「大変なことが起きてる」、YouTubeをじっくり見ること、三食の自炊、整理整頓や今まで手を付けられなかった掃除……生々しく思い出されるようだったし、思い出すってことは私も忘れてるんだなって。

「忘れてくんだろうなぁ、きっと」と言葉を漏らす横顔のカットがやけに胸に残って、この”忘れる”にどうしてこんなにこの人ひとりの人生を背負ってるように感じるんだろう、と。

そのあと二人に対して良かったなと声をかけるのが好きで。みんなきっと答えを出せないままそれでも生きてるんだろうなあって思いました。

 

ちょい足しが牛乳だと思い出すのもよかったです。よかったというか面白くて。なくなりそうだけど急を要してはないティッシュをふと思い立って買ってきたら向こうも買ってきてた、とか、用意した夕飯が偶然かぶったりとか、脈絡なく言ったアレどうする?でコラボカフェの予約のことだとわかったりとか、私もきょうだいと、なに?こわ、と思うような血のつながり?遺伝子?を感じることがめちゃめちゃあったのでそれわかる~と笑いました。

 

 

それにしても林遣都さんはすごいなぁ。わかりやすいキャラつくりではなくてちゃんとその人間を生きてきたみたいな感じが出てて、そういう生っぽいのが大好きなので。最後の方はもう完全に3人の役者さんにしか見えなかったもんね。そもそもあれを全部ひとりで演じて撮ってるのすごいな?!

 

演技も脚本も美術も撮影も編集も、細かい演出までしっかりと息が吹き込まれた良質な作品だと思いました。見れてよかったぁ。

 

 

 

唐突にスピッツの話します(仲良し)

こんばんは。

 

今日は昼間に出かけたらすっかり夏らしく、私も古いワンピースを着てサンダルを履いてみました。

そしたらスピッツの『仲良し』の「サンダル履きの足指に見とれた」というフレーズが頭の中をぐるぐる止まらないので、この曲の話をしようと思います。

 

この曲は私の好きなスピッツ曲の中でも数える指に入るほどではと思います。

イントロのギターの軽さから、

 

いつも仲良しで いいよねって言われてでも

どこかブルーになってた あれは恋だった

 

この歌詞の入りが大好きで切なくて。

「あれは恋だった」はなくったって意味は通じるのにあえて付け足すのはトドメのようにも思えます。しかも、もうこの導入でこの恋物語はつらいって決まってるのに、てか、いわば「叶いませんでした」っていう出落ちなのに、ここから曲は始まっていくんです。ドラムのスネアが気持ちよく入ってきます。もうわかりきってるのに、ここから更になにがどうつらいのか紹介します!みたいな。。そんな感じ。傷口を広げていきます。もうここがとにかく大好き。このつらさと爽やかさが一緒になっているのが、不思議な清涼感を連れてきます。

そしてサビ終わりから入るピアノ。ぽろんぽろん、光りながら揺蕩っている水面の印象です。ゆるい波がよせてはかえすを繰り返す。その水面に光が差し込んでいる、それを下から見ている映像が頭に浮かびます。なんとなく上の方で音が鳴っている感じがするので。イメージとしては金沢21世紀美術館のあのプール、みたいな感じかなあ?ラピュタの水中都市?

そしてそして、この歌詞。

 

サンダル履きの足指に見とれた

 

どうしてかこの歌詞はずっと頭に残ります。耳で聞くと最初、なんて言ってるのか理解が追い付かないのです。このメロディにこの歌詞を当て込むか!と草野マサムネ恐るべしポイントです。個人的に。

 

雨上がりの切れ間から

差し込む陽の光たち 街を洗う

 

この歌詞も綺麗で大好き。まさに洗うように音楽は盛り上がります。

そして下から舐めるように洗い上げると、音数は減り、冒頭の歌詞がまたやってきます。あれは恋だった、と最後に絞り出すように呟かれてあっけなくこの曲は終わります。

もうこの後余韻30分くらいはほしいですね。この曲の主人公はその恋を思い出にしている気がしますが、この恋で残ったのは、小さくてきれいに透き通るビー玉くらいのものかなと、私はそんな感じがしています。

 

以上、唐突なスピッツの話、曲は『仲良し』でした!

おやすみなさい。