『世界は3で出来ている』感想

こんばんは。今日の夕暮れはピンクでかわいかったです。

 

 

数日前に、林遣都さんが一人三役を演じるソーシャルディスタンスドラマ?があると聞きまして、なんだそりゃ・・?おもしろそう、と思っていたけどあいにくタイミングが合わずリアルタイムでは見ることができなかったのですが、ありがたいことに配信決定したということで視聴しました。

いや、おもしろかった…。30分なのに映画一本見たような気持ちになりました。

 

演者である林遣都さんはもちろんすごいけど、脚本?もよかったなあ。

前半のストーリー<キャラから、後半ストーリー>キャラになるあの構成っていうのかな、勇人が「ここだけの話な、俺、この3ヵ月、今回のこと、ほんとよかった」と言う場面からガラッとリアルの世界とつながってグッと見る気持ちが変わった。

「すっばらしい3ヵ月だった」という人がいたのもきっと事実で。そのあとの泰斗さんの「なんかすごいことが起きてる、映画みたいなこと」という切り出しから「誰もいない渋谷」「大変なことが起きてる」、YouTubeをじっくり見ること、三食の自炊、整理整頓や今まで手を付けられなかった掃除……生々しく思い出されるようだったし、思い出すってことは私も忘れてるんだなって。

「忘れてくんだろうなぁ、きっと」と言葉を漏らす横顔のカットがやけに胸に残って、この”忘れる”にどうしてこんなにこの人ひとりの人生を背負ってるように感じるんだろう、と。

そのあと二人に対して良かったなと声をかけるのが好きで。みんなきっと答えを出せないままそれでも生きてるんだろうなあって思いました。

 

ちょい足しが牛乳だと思い出すのもよかったです。よかったというか面白くて。なくなりそうだけど急を要してはないティッシュをふと思い立って買ってきたら向こうも買ってきてた、とか、用意した夕飯が偶然かぶったりとか、脈絡なく言ったアレどうする?でコラボカフェの予約のことだとわかったりとか、私もきょうだいと、なに?こわ、と思うような血のつながり?遺伝子?を感じることがめちゃめちゃあったのでそれわかる~と笑いました。

 

 

それにしても林遣都さんはすごいなぁ。わかりやすいキャラつくりではなくてちゃんとその人間を生きてきたみたいな感じが出てて、そういう生っぽいのが大好きなので。最後の方はもう完全に3人の役者さんにしか見えなかったもんね。そもそもあれを全部ひとりで演じて撮ってるのすごいな?!

 

演技も脚本も美術も撮影も編集も、細かい演出までしっかりと息が吹き込まれた良質な作品だと思いました。見れてよかったぁ。